2026-08-24
親の施設入居が決まったら|実家の片付けと家財整理を進める順番
「入居できる部屋が決まりました、と施設から連絡が来て、そこから実家のことを考え始めた」——ご相談の中でも、時間の余裕がいちばん少ないのがこのパターンです。空きを待つ期間は長いのに、順番が回ってきてからの日数は短い。そういう順序で来ることが多いからです。
結論から言うと、最初にやるのは実家を空にすることではなく、「居室に何を持っていくか」を決めることです。持っていく物が決まらないまま家全体に手を付けると、量に圧倒されて手が止まります。
ただしこれは、親御さんがご自分の意思を伝えられる状態であることが前提です。 ご本人の判断が難しく、ご家族に代理権もまだ無い場合は、持っていく物を選ぶ作業も本人の持ち物を動かすことにあたるため、家族だけで進められないことがあります。その場合は選別より先に、施設の相談員や市町の高齢福祉の窓口、弁護士・司法書士などへ権限と方法を確認してください(詳しくは本記事の「入居日から逆算する順番」と最後の章にまとめています)。
そしてもう一つ、持ち主は親ご本人です。売る・捨てるを家族だけで決めないという点が、亡くなった後の遺品整理といちばん違うところになります。親御さんが元気なうちであれば、「これは何なのか」を本人に聞ける——これは後からでは手に入らない条件です。
📷 【入居日が決まっていない段階でも相談できます】 部屋全体が分かる写真と、実家のある市町をお送りください。片付けの進め方と、査定できそうな物の目安をご案内します。 お売りいただく物については、持ち主である親ご本人の意思が確認できることが前提になります(ご相談と査定は、その前の段階でも承っています)。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
実家を空にするのは、いちばん後でいい
入居が決まると「入居日までに実家を片付けなければ」と考えてしまいがちですが、入居日という期限がかかっているのは居室に持っていく物だけです。実家に残る物には、その日までという締切はありません。
急いで全部を動かそうとすると、たいてい次の2つが起こります。
- 持っていく物を選ぶ時間が足りなくなる——本当は本人に聞きながら決めたかった物まで、家族の判断で処分してしまう
- 値が付く物がまとめて処分側へ行く——時間がないときほど「分からない物は捨てる」に倒れます。処分してしまった物は査定できません
賃貸で退去期限がある、売却の日程が先に決まっているなど、実家側にも動かせない期限がある場合は事情が変わります。その場合は期限の早いほうから逆算してください。ただしその場合でも、**先に決めるのは「居室に持っていく物」**という順番自体は変わりません。
施設に確認する4つのこと——「入れ物」は家よりずっと小さい
持っていく量を決めるには、先に入れ物のほうを知る必要があります。居室は多くの場合ひと部屋で、収納は作り付けのものだけということもあります。今の家の押入れや納戸を基準に考えていると、入りきらないことがほとんどです。
- 居室の広さと、作り付け収納がいくつあるか——「クローゼット1本」「棚2段」のように、入れ物の単位で数えておくと、持っていく量がそのまま決まります
- 持ち込めない物があるか——火を使う物、刃物、電化製品などについて、施設ごとに決まりがあることがあります
- 家具・家電が備え付けかどうか——ベッドや冷蔵庫が用意されている施設もあります。用意されているのに持ち込むと、その分だけ居室が狭くなります
- 仏壇や大きな物をどうするか——居室に置ける場合と、置けない場合があります。置けない場合は実家に残すか、別の方法を考えることになります
この4つはいずれも施設ごとに違います。 パンフレットに書かれていないことも多いので、入居先の担当の方に直接聞くのが確実です。ここが決まると、「持っていく/実家に残す」の線が引けるようになります。
減らす量を入れ物から逆算する考え方そのものは、ご本人が自分の意思で進める老前整理でも同じです。詳しくは老前整理のやり方|物を減らす順番と決め方にまとめています。
持ち主は親本人——売る・捨てるを家族だけで決めない
ここがこの片付けでいちばん大事なところです。実家にある物は、親ご本人の持ち物です。家族であっても、本人の意思を確認しないまま売ったり処分したりを決めることはできません。
現場でよくあるのが、「本人は施設にいるから」「言っても分からないだろうから」と、家族だけで判断を進めてしまうケースです。後になって親御さん本人が探し、ご家族の間で気まずくなる——という話も伺います。
進め方としては、次のようになります。
- 本人が判断できる状態であれば、本人に聞く。 全部を1つずつ確認する必要はありません。「これは残す」「これは要らない」と本人が言った物を先に確定させ、残りは急いで決めない——実家に期限がなければ、保留のまま実家に残しておけます
- 本人に確認できる範囲が限られている場合は、そこで止める。 判断が難しい状態のときに、ご家族が代わりに財産を処分するには、成年後見制度などの法的な手続きが必要になることがあります。この判断は片付け業者ができるものではありません。 施設の相談員(生活相談員・ケアマネジャー)や、お住まいの市町の高齢福祉の窓口、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください
- ただし「そこで止める」が選べるのは、実家に期限がないときだけです。 賃貸の退去期限がある、売却や引き渡しの日程が決まっている——という場合は、止めたままにできません。期限が分かった時点ですぐ、期限があることを伝えたうえで上記の窓口へ相談を始めてください(手続きには時間がかかります)。期限までに権限の整理が間に合わない物について、別の場所へ移して保管するという方法もありますが、その移動・保管自体も家族だけで決められるとは限りません(本人の家財の搬出、保管場所の契約、その費用負担が含まれるためです)。売る・捨てるだけでなく、移動と保管についても、適法な権限と方法を先に専門家へ確認してから進めてください。 賃貸なら管理会社や貸主にも早めに事情を伝えると、退去日を調整できる場合があります
買取についても同じです。カタクルは古物商として、お売りいただく方のご本人確認をさせていただきます。所有者である親ご本人の意思が確認できることが前提になりますので、確認が取れない物のお買取りはお受けできません(ご相談と査定は、その段階でも承っています)。
親御さんへの切り出し方に迷う場合は、生前整理は何から始める?親と一緒に進める順番と声のかけ方も参考にしてください。
入居日から逆算する順番
ここまでを踏まえた段取りです。
- 入居日と、居室の条件を確定する(前章の4項目。ここが起点です)
- 持っていく物を決める——本人に聞ける物は本人に聞いて決めます(本人に聞けない場合は下記の条件をご確認ください)
- 探す物を先に確保する——通帳・印鑑・保険証券・年金や介護保険の書類、権利書などです。入居後の手続きで必要になることが多く、家中に物が残っている状態のほうが見つけやすいです(2・3も本人の持ち物を動かす作業です。 ご本人の判断が難しい場合は、下記の条件をご確認ください)
- 値が付きそうな物の査定を、処分より先に済ませる
- 処分が必要な物を手配する
- 実家そのものをどうするかを決める——持ち家で期限が決まっていなければ、落ち着いてからで構いません(賃貸なら退去期限が先に来ます)
4を5より先に置く理由は単純で、処分してしまった物は査定できないからです。5に日数がかかる点にも注意してください。粗大ごみは申し込み制のことが多く、時期によっては希望日がすぐに取れません。回収の頻度や品目の区分は市町によって違うので、日程が決まった時点で早めに確認しておくと安心です。
なお、実家が持ち家で退去や売却の期限が決まっていないのであれば、2〜5をすべて入居日までに終える必要はありません。入居日までに必要なのは1〜3までで、4以降は実家の状況に合わせて進められます。賃貸で退去期限がある場合や、売却の日程が先に決まっている場合は別です——その期限までに4・5まで終える必要があるので、早いほうの期限から逆算してください。
ただし、この段取り全体は「本人の意思が確認できる」ことが前提です。 ご本人の判断が難しい場合、家族だけで進められないのは4・5(査定・処分)に限りません。2(持っていく物を決める)・3(通帳・印鑑・権利書などの確保)も、本人の持ち物を動かし、家族が預かることになる作業です。 権限が整理されていない段階では、これらも家族だけで決められない場合があります。
移動や保管を伴う作業は、2・3を含めて、適法な権限と方法を先に専門家へ確認してから進めてください。 期限がある場合は、期限があることを伝えてすぐに相談を始めてください(手続きには時間がかかります)。相談先は施設の相談員(生活相談員・ケアマネジャー)、市町の高齢福祉の窓口、弁護士・司法書士などです。重なったときの進め方は、この記事の最後の章にまとめています。
なお1(入居日と居室の条件を確定する)は物を動かさない作業なので、この条件にかかわらず先に進められます。
入居した後、実家が誰も住まない家になる場合
見落とされやすいのがここです。親御さんが一人暮らしで、入居後に実家へ住む人がいなくなる場合は、入居が済んだその日から実家は空き家になります。片付けの途中で止まったまま、誰も住まない家が残る——という状態が、そのまま何年も続くことがあります。
(配偶者やご家族が実家に住み続ける場合は、この章は当てはまりません。次の「値が付く物と、処分が必要な物の線引き」へ進んでください。)
すぐに全部を片付ける必要はありません。ただ、次の2つは早めに決めておくと後が楽になります。
- 貴重品と書類は先に運び出す——空き家は人の目が届きにくく、そのままにしておくと傷みも進みます(ご本人の判断が難しく権限が整理されていない場合は、運び出しについても本記事の最後の章「聞ける時期に、聞いておく」の手順を先にご確認ください)
- 誰が管理するかを決めておく——郵便物、通気や通水、庭木の手入れなど。管理されない状態が続くと、自治体から連絡が来ることもあります
家をどうするか(売る・貸す・そのまま維持する)は、持ち家で期限が決まっていなければ入居後に落ち着いてから考えて構いません(賃貸の場合は退去期限が優先します)。その段階の進め方は滋賀の実家が空き家に。片付けはいつ?、行政から文書が届いた場合は空き家を放置するとどうなる?にまとめています。
値が付く物と、処分が必要な物の線引き
カタクルは古物商として、お売りいただける物の査定とお買取りを行う片付け業者です。お売りいただく際は、古物営業法にもとづきご本人確認をさせていただきます。
長く住んだ家からは、古い工具、カメラ、時計、着物、未開封の贈答品、食器や骨董などが出てくることがあります。どんな物が対象になるかは買取できる物の一覧にまとめています。「これは値が付かないだろう」と家族が判断して処分側に置いた物に、値が付くことがあります。ただし買取の可否と金額は、品目と状態、そして時期の相場によって変わりますので、値が付くとお約束できるものではありません。判断がつかない物は、処分してしまう前に一度ご相談ください(処分してしまった物は査定できません)。
処分が必要になった物は、実家のある市町のルールに従って出します。滋賀県内でも分別区分や粗大ごみの出し方は市町によって異なり、いま住んでいる市町のルールとは違うことも多いです。カタクルは、実家のある市町のルールに沿った排出方法や、その市町の許可・委託を受けた業者への依頼をご案内します(家庭ごみの扱いは、ごみが出た場所の市町のルールによります)。カタクルが古物商許可のみを根拠に、許可範囲外の家庭ごみを自社で収集・処分することはありません。
「無料回収」をうたって積み込んだ後から高額請求する業者のトラブルが各地で報告されています。無許可の回収業者にはご注意ください。
よくある質問
Q. 入居日までに実家を空にしないといけませんか?
実家が持ち家で、退去や売却の期限が決まっていないのであれば、入居日までに空にする必要はありません。入居日という期限がかかるのは居室に持っていく物までです。賃貸で退去期限がある場合や、売却の日程が先に決まっている場合は、その期限から逆算してください。
Q. 親の持ち物を、家族だけで売ることはできますか?
持ち主は親ご本人ですので、ご本人の意思が確認できることが前提になります。買取の際は古物商として、お売りいただく方のご本人確認をさせていただきます。ご本人の判断が難しい状態の場合は、成年後見制度などの法的な手続きが必要になることがありますので、施設の相談員や市町の窓口、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。賃貸の退去期限や売却の日程が決まっていて待てない場合は、期限があることを伝えて早めに相談を始めてください。 期限までに権限の整理が間に合わない物について、別の場所へ移して保管するという方法もありますが、その移動・保管も家族だけで決められるとは限りません(本人の家財の搬出、保管場所の契約、その費用負担が含まれるためです)。売る・捨てるだけでなく、移動と保管についても、適法な権限と方法を先に専門家へ確認してから進めてください。
Q. 仏壇は施設に持っていけますか?
施設によって異なります。居室に置ける場合、小型のものであれば置ける場合、置けない場合とさまざまですので、入居先にご確認ください。実家に残す場合や手放す場合の進め方は仏壇・神棚・人形の処分はどうする?にまとめています。
Q. 出張買取の場合、クーリング・オフはありますか?
ご自宅にお伺いして買取する取引など、特定商取引法の訪問購入に該当する場合は、法定書面を受け取った日から8日以内であれば、契約を解除できる場合があります。一方で、品目や取引内容によっては訪問購入の規定が適用されない場合もあります。対象となる取引では、必要な書面をお渡しし、クーリング・オフや品物の引渡しに関するルールをご説明します。
聞ける時期に、聞いておく
施設入居の片付けは、期限に追われる作業に見えて、親御さんが自分の意思を伝えられる状態であれば、遺品整理にはない条件が1つ揃っている時期です。持ち主が目の前にいて、「これは何なのか」「どうしたいか」を聞けます。
ただし、判断が難しい状態での入居であれば、この条件は使えません。その場合、実家に期限がなければ、本文のとおり本人の意思が確認できない物は売る・捨てるを決めずに実家へ残し、必要に応じて成年後見制度などの手続きを専門家にご相談ください。カタクルでも、ご本人の意思が確認できない物のお買取りはお受けできません。
判断が難しい状態で、かつ実家に期限がある場合——賃貸の退去期限がある、売却や引き渡しの日程が決まっている——は、「実家に残す」が選べません。この2つが重なったときは、次のように進めてください。
- 期限が分かった時点ですぐ、権限の相談を始める。 成年後見制度などの手続きは時間がかかるため、期限の直前に動き出すと間に合いません。施設の相談員(生活相談員・ケアマネジャー)や市町の高齢福祉の窓口、弁護士・司法書士などへ、まず期限があることを伝えてご相談ください
- 搬出・保管も「先に確認する」側です。 売る・捨てる以外なら家族の判断でよい、ということではありません。本人の家財を運び出すこと、保管場所を第三者と契約すること、その費用を負担することも、権限が整理されていない段階では家族だけで決められない場合があります(紛失・破損の責任や保管料の負担が後で問題になります)。移動や保管を含めて、期限があることを伝えたうえで先に上記の窓口・専門家へ確認し、適法な権限と方法が確認できた場合に限って進めてください
- 賃貸なら、管理会社や貸主にも早めに事情を伝える。 退去日の調整ができる場合があります
この重なった状況では、権限の確認が済むまでカタクルは買取をお受けできません。ご相談と査定は、その前の段階でも承っています(運び出しや保管のご依頼は、権限と方法が確認できてからになります)。
そのうえで、入居日までにやることは1〜3——居室の条件を確かめ、持っていく物を決め、書類と貴重品を確保する——に絞ってしまって構いません。ただし2・3は本人の持ち物を動かす作業なので、ご本人の判断が難しい場合は、権限と方法を先に確認してから進めてください(物を動かさない1は先に進められます)。残りは、落ち着いてから順番に進められます。ただしこれは実家が持ち家で、退去や売却の期限が決まっていない場合の話です。 賃貸で退去期限がある場合や、売却の日程が先に決まっている場合は、実家側にも動かせない期限があるので、その期限から逆算して進めてください。
滋賀県内で「入居が決まったけれど何から手を付ければいいか分からない」という段階のご相談も歓迎です。ご依頼いただいた品物以外について、こちらから無理に買取をおすすめすることはありません。出張費・査定・キャンセルは無料です。
📷 【まずは部屋の写真1枚から】 実家のある市町と、部屋全体が分かる写真をお送りください。片付けの進め方と、査定できそうな物の目安をご案内します。 お売りいただく物については、持ち主である親ご本人の意思が確認できることが前提になります(ご相談と査定はその前の段階でも承ります)。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
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