2026-08-24
空き家を放置するとどうなる?自治体の通知・特定空家と片付けの始めどき
「役所から手紙が届いたけれど、これは何だろう」「近所の方から庭木のことを言われた」——空き家になった実家について、こうしたきっかけでご相談をいただくことがあります。何年も頭の片隅にあっただけの家が、外からの一言で急に目の前の課題になる。よくある流れです。
結論から言うと、**通常の助言・指導の段階であれば、自治体からの最初の連絡は「罰」ではなく「段階の入口」**です。空き家に関する行政の手続きはいくつかの段階に分かれていて、早い段階で状態を改善し、それが自治体に確認されれば、そこで終わることが多いです。届いた文書を見てあわてて家を手放す判断をする必要はありません。
ただし、倒壊などで人の生命・身体・財産に重大な危害が及ぶことが切迫している場合は例外です(空家法22条11項の緊急代執行)。段階を省いて措置されることがあり、この場合は写真や家族内の調整より先に、担当課と専門家に連絡して緊急の対応を進めてください。
この記事では、空き家を放置したときに自治体から届く通知にどんな段階があるか、どの段階から固定資産税の計算に影響が出るか、そして通知が届いたときに片付けの面で何から始めればよいかを整理します。空き家の片付けの進め方そのものは滋賀の実家が空き家に。片付けはいつ?にまとめていますので、この記事では「行政から声がかかった場合」に絞ります。
📷 【役所からの文書と、部屋の写真だけでも相談できます】 指摘された内容と、家の中の様子が分かる写真があれば、片付けの進め方からご案内できます。 室内の撮影は、安全が確認できた場合のみにしてください。倒壊のおそれ・外壁や屋根の落下・床の抜けなどが指摘されている場合は立ち入らず、担当課への確認と専門家の点検を先にお願いします。文書の写真だけでもご相談いただけます。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
自治体からの通知は、いきなり「命令」ではない
空き家に対する自治体の対応は、**空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)**という法律に沿って行われます。この法律では、いきなり強い措置を取るのではなく、原則として段階を踏むことが定められています。ただし例外があり、倒壊などで人の生命・身体・財産に重大な危害が及ぶことが切迫している場合は、空家法22条11項の緊急代執行として、助言・指導や勧告・命令を経ずに措置が行われることがあります。
特定空家等と判断された場合の一般的な流れは次のとおりです。
大事なのは、1の段階で指摘された点を改善し、それが自治体に確認されれば、2以降へ進まずに済むことが多いということです。逆にいえば、担当課へ連絡しただけ・気になる部分を一部だけ片付けた、という状態では改善が確認されず、勧告へ進むこともあります。求められている改善の程度は文書と担当課への確認で把握してください。実際に届く文書の多くはこの助言・指導にあたるもので、「すぐに解体してください」という内容ではありません。まずは文書に書かれている担当課と、指摘されている中身——庭木・雑草・郵便物のたまり具合・外壁や屋根の傷みなど——を確認してください。
なお、文書の名称や運用は市町によって違います。滋賀県内でも担当課の呼び名は自治体ごとに異なるため、文書に書かれている連絡先へ直接確認するのが確実です。
「管理不全空家」と「特定空家」——2023年の法改正で対象が広がった
もう一つ知っておきたいのが、2023年(令和5年)の法改正です。それまで行政が手続きを進められるのは主に特定空家等——そのまま放置すれば倒壊のおそれがある、衛生上著しく有害、著しく景観を損なっている、といった、かなり傷みが進んだ状態の空き家でした。
改正で新しく加わったのが管理不全空家等という区分です。これは「そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態」を指します。つまり、まだ倒れそうではないけれど手入れがされていないという段階でも、行政が指導・勧告できるようになりました。
| 区分 | どんな状態か | 行政の対応 |
|---|---|---|
| 管理不全空家等 | 放置すると特定空家等になるおそれがある | 指導 → 勧告 |
| 特定空家等 | 倒壊のおそれ/衛生上著しく有害/著しく景観を損なう など | 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行 |
現場の感覚でいうと、庭木が伸びて隣地にかかっている、郵便物があふれている、雨戸や外壁が傷み始めているあたりが、管理不全空家等として声がかかりやすい状態です。このうち庭木や郵便物は、片付けと定期的な管理で改善できる範囲です。一方で雨戸や外壁など建物の傷みは、片付けだけでは直りません——補修や、落下のおそれがある箇所への専門的な対応が必要になることがあります。何をどこまで求められているかは担当課に確認し、建物の損傷については解体業者や建築士などの点検を受けてください。
勧告まで進むと、固定資産税の計算が変わる
段階の中で、金銭面のはっきりした分かれ目になるのが勧告です。
住宅が建っている土地には、固定資産税の住宅用地特例という軽減の仕組みがあります。住宅の敷地であることを理由に、税額のもとになる課税標準が引き下げられているもので、200平方メートルまでの部分は6分の1、それを超える部分は3分の1とされています。ただし特例の対象になる面積には上限があり、住宅の床面積の10倍までです。敷地が広い場合、その上限を超える部分は特例の対象外なので、敷地全体が一律に軽減されるわけではありません。ご自身の土地がどこまで対象かは、固定資産税の納税通知書や市町の資産税担当課で確認できます。
管理不全空家等・特定空家等のどちらでも、勧告を受けるとこの特例の対象から外れます。その結果、土地にかかる固定資産税の負担が増えることになります。
「空き家を置いておくと税金が上がる」と言われるのは、この仕組みのことです。ただし負担が変わるのは勧告を受けた場合であって、空き家になっただけで自動的に上がるわけではありません。逆にいえば、助言・指導の段階で改善し、それが自治体に確認されて勧告に至らなければ、この影響は生じません。
税額の具体的な計算は、土地の評価額や市町の税率によって変わります。実際の金額については、実家のある市町の税務担当窓口でご確認ください。
通知が届いたら、まずやる3つのこと
行政からの文書を受け取ったときに、片付けの観点から先にやっておくとよいことを3つに絞ります。
- 担当課に連絡して、指摘の中身を具体的に聞く——「何を・いつまでに・どの程度」が分かると、必要な作業量が見えてきます。連絡すること自体が、対応する意思を示す記録にもなります
- 安全を確認したうえで、家の外と中を写真に撮る——**先に担当課へ「中に入って大丈夫な状態か」を確認してください。**倒壊のおそれ・外壁や屋根の落下・床の抜けなどが指摘されている場合は、建物に近づかず・立ち入らず、解体業者や建築士などの専門家に現地を見てもらってください。安全が確認できたときに限り、外観(庭木・外壁・郵便受け)と、部屋ごとの全体が分かる写真を撮っておくと、離れて住む家族との共有にも業者への相談にもそのまま使えます
- 家族・相続関係者の間で「誰が進めるか」を決める——空き家の片付けが止まる一番の原因は作業量ではなく、決める人が決まっていないことです
指摘が外回りのことだけなら、庭木や郵便受けの手入れで行政上の指摘は解消できることがあります。室内の片付けが行政手続きの条件になるとは限りません。
そのうえで、その先の出口——売る・貸す・解体——を考えるなら、家財の扱いを早めに決めておくと動きやすくなります。残置物を含めて買い取る売却や、家財処分を含めた解体見積りのように、家財が入ったまま進められる選択肢もあります。どこまで片付けが必要かは選択先によって変わるので、不動産会社や解体業者に残置物の扱いを先に確認してください。
通知が来ていなくても、片付けから始められる
ここまで通知の話をしてきましたが、実際のご相談ではまだ何も届いていない段階の方のほうが多いです。そして、その段階で動けたほうが選べる幅は広くなります。
理由は3つあります。
- 家の中身が分かると、見積りが具体的になる——何がどれだけ残っているかが分かると、解体や処分の費用が詰めやすくなります。ただし中身の把握が出口を決める条件というわけではありません。残置物を含めて買い取る売却や、現地を見てもらったうえでの解体相談のように、家財が残ったままでも方針は決められます
- 保管状態が悪いと、売れたはずの物の査定額が下がることがある——閉め切った家では湿気がこもり、カビ・サビ・カビ臭が出ることがあります。カメラ・時計・工具・書画などは状態が査定に響きやすく、傷みが出てからでは買取できる範囲が狭まることがあります。時間の経過そのもので価値が決まるわけではなく(品目や相場によっては変わらない・上がる物もあります)、問題になるのは保管環境による状態の悪化です
- 片付けの費用は、買取の分で抑えられる場合がある——長く閉まっていた実家からは、古い工具や未開封の贈答品、骨董などが出てくることがあります。どんな物が対象になるかは買取できる物の一覧にまとめています
費用の考え方は家じまいの片付け費用を抑える方法、遠方から進める場合の段取りは遠方から滋賀の実家じまいを進めるにはを参考にしてください。
処分が必要な物は「実家のある市町」のルールで
仕分けた結果、処分が必要になった物は、実家のある市町のルールに従って出します。滋賀県内でも分別区分や粗大ごみの出し方は市町によって異なります。いま住んでいる自治体のルールとは違うことも多いため、「実家のある市町」の案内を確認してください。
カタクルは、買取対象品を古物商として査定・買取します。処分が必要な家庭の不用品については、実家のある市町のルールに沿った排出方法や、その市町の許可・委託を受けた業者への依頼をご案内します(家庭ごみの扱いは、ごみが出た場所の市町のルールによります)。カタクルが古物商許可のみを根拠に、許可範囲外の家庭ごみを自社で収集・処分することはありません。
また、人の目が届きにくい空き家は、「無料回収」をうたう業者のトラブルが起きやすい場所でもあります。まとめて積み込んだ後から高額請求する事例が各地で報告されています。無許可の回収業者には注意してください。
よくある質問
Q. 役所から文書が届きました。すぐに解体しないといけませんか?
多くの場合、最初に届くのは助言・指導にあたる文書で、その時点で解体を求められているわけではありません。まずは担当課に連絡して、指摘されている内容と求められている改善の程度を確認してください。片付けと管理で改善できる状態であれば、そこで手続きが先へ進まないこともあります。
Q. 相続の手続きがまだ終わっていませんが、片付けや査定はできますか?
片付けの進め方のご相談や査定は、この段階でも承っています。ただし実際の買取の前には、その品物を売却できる権限があることの確認が必要です。買取をご依頼いただく場合は、相続人の方の中でご依頼者を決めていただいたうえで、古物営業法に基づく本人確認に加えて、遺産分割が済んでいない品物については、権利関係と他の相続人の方の同意・委任の確認をさせていただきます。相続関係者の間で話がついていない物は、確認が取れるまで買取はお受けできません(ご相談と査定は可能です)。
Q. 遠方に住んでいて何度も通えません。それでも進められますか?
安全が確認できた状態であれば、部屋全体の写真をお送りいただくと進め方の目安からご案内できます(危険が疑われる建物には立ち入らないでください。その場合は文書の写真とお困りの内容だけでも承ります)。現地での査定は、帰省や現地確認の日程に合わせて調整できます。遠方から進める場合の段取りは遠方から滋賀の実家じまいを進めるにはにまとめています。
Q. 買取できない物はどうなりますか?
処分が必要な物は、実家のある市町のルールに沿った排出方法や、その市町の許可・委託を受けた業者への依頼をご案内します(いま住んでいる市町ではなく、ごみが出た場所の市町のルールになります)。カタクルが古物商許可のみを根拠に、許可範囲外の家庭ごみを自社で収集・処分することはありません。
通知は「終わり」ではなく、動き出すきっかけ
役所からの文書は、受け取った側からすれば気持ちのいいものではありません。ただ、通常の助言・指導の段階であれば入口であり、この時点でできることは残っています。担当課に中身を聞く、(安全が確認できれば)写真を撮る、進める人を決める——まずはこの3つからで十分です。
一方、倒壊や落下のおそれが切迫していると告げられている場合は、この3つでは足りません。撮影や家族内の調整より先に、担当課と解体業者・建築士などの専門家に連絡し、緊急の対応を進めてください。
滋賀県内の空き家について、「家をどうするか決めていない」「何から手を付ければいいか分からない」という段階のご相談も歓迎です。ご依頼いただいた品物以外について、こちらから無理に買取をおすすめすることはありません。出張費・査定・キャンセルは無料です。
📷 【まずは部屋の写真1枚から】 実家のある市町と、部屋全体が分かる写真をお送りください。片付けの進め方と、査定できそうな物の目安をご案内します。 撮影は安全が確認できた場合のみでお願いします。倒壊や落下のおそれが指摘されている建物には立ち入らず、その場合は文書の写真とお困りの内容だけでも承ります。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
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